最近のテキストエディタ
最近、いろいろと新しいテキストエディタが登場している。おもにMac用だけど。ぼくの観測範囲の問題なのかWindows用のテキストエディタの話は聞かない。なぜだろうと思って能動的に調べてみるがそれっぽい情報がひっかからない。Windowsの世界では秀丸あたりでテキストエディタはすでに完成しているのだろうか? といっても日本以外の国ではどのテキストエディタを使ってるんだろうね、Windowsユーザーって。Notepad++とか?
ところで、ぼくは普段Vimを使っている。いまこの記事を書くのももちろんVimで書いている。けど、別にVim大好きというわけではない。Vimよりも便利なものがあるならそっちに乗り換える準備はある。けど、Vimより便利なものが見つからないので、Vimを使っている。けど、もう2011年だし、そろそろVimを超えるテキストエディタが現れてもいい頃だ。というわけで、ぼくがいいなと思った最近のテキストエディタについてまとめる。リストは以下のとおり。
Kod
node.jsによるスクリプティング環境があったり、Cocoaの最新のAPI(Snow Leopard以降で有効なもの)を使って実装されていたりして、いろいろと新しい感じのテキストエディタ。ファイルの読み込みやシンタックスハイライトなど全てを並列処理するから速いらしい。あとはCSSでスタイル変えたり、HTTP越しでファイルを編集できたりとかっこいい機能がいろいろとある。去年末に登場して話題になった。
Kodはまだアルファバージョン。
Sublime Text 2
Sublime Textの後継。Sublime Textの特徴であるミニマップ(ファイル全体を縮小して表示して、全体の中のどの部分が表示されているのかを把握するためのもの)はもちろんある。
あとはGoto Anythingという機能があって、これがいけてる。Command+Pで表示されるテキストボックスに入力した文字によって、ファイル名とマッチしたらそのファイルを開いたり、@から始まる場合はシンボルにジャンプしたり、:から始まる場合はその行にジャンプしたりと、いろいろ便利。QuickSilverとかAlfredみたいなやつをエディタの中に閉じ込めたようなものだと思ってもいい。ぼくはこの手のインターフェイスが好きだ。
また、Sublime Text 2はWindowsやLinuxでも使えるのもいい。環境が変わっても同じテキストエディタが使えるというはやっぱり嬉しい。
Vico
個人的に本命ともいえるのがVicoだ。つい最近(2011/04/28)登場した。
VicoはVimキーバインドをサポートしている。さらにNu(Objective-Cで実装されたLispっぽいRuby的な言語)によるスクリプティングも可能という、ずいぶんととんがったテキストエディタだ。これは期待せざるをえない。
現状は無料だけど、ちゃんとしたリリースのときには有料(US$50くらい)にする予定らしい。
あとVicoはTextMateのBundleをサポートしている。TextMate2がもたもたしている間に現TextMateユーザーからの乗り換えを狙うのだろう。TextMateユーザーはエディタにお金を払うという価値観を持っている人たちなのでVicoにもきっとお金を払ってくれるだろう。
Vicoもまだアルファバージョン。
TextMate2
http://wiki.macromates.com/FAQ/TextMate2
TextMate2はアルファバージョンかどうかも不明。4年くらい前から不明。そろそろ出るという噂は常にあるから、そろそろ出るかもしれない。出たら一気に広がりをみせるだろうけど、たぶん出ない。TextMate2がリリースされたかどうかは以下のURLにアクセスすればわかる。
まとめ
TextMate以降、なかなか新しいテキストエディタが出てこなかったが、ここにきて本命になりうるものがいくつか登場してきている。
個人的にはVicoに期待しているが、Kodのほうが広く受け入れられると思う。現状の完成度ではSublime Text 2がリードしている印象で、TextMate2は出ない(出る出る言ってて出ないから、出ない出ない言っとけば出るかもしれない)。
ポモドーロの猿になるのだ
ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックが流行っている。知らない人のために説明すると、ポモドーロテクニックとは具体的には以下のようなものを指す。
- 25分ひとつのタスクに集中して実行する(この25分を1単位としてポモドーロと呼ぶ)
- タスクを開始して25分経ったらたとえタスクが途中であっても5分程度休憩する
- 休憩が終わったら次のポモドーロ開始
- たまに(4ポモドーロ消化したら)長めの休憩をとる(20分くらい)
とまあ極めて単純な方法である。このポモドーロテクニックの肝は、
- 1つのことに集中すること
- 強制的に脳を休ませること
- その繰り返しのリズムを確立すること
にあると考える。あれこれと余計なことは考えずに1つのことに集中する。余計なことを考えるのは休憩時間にやる。ポモドーロを回している間はひたすら機械的に繰り返す。機械的に、ひたすら、繰り返す。考えるな、繰り返せ。オーケー? わかった?
より詳細には http://stack3.com/old/pomodoro_technique.html などを参照してほしい。
ポモドーロテクニックが必要なだめな大人
例えば、だめな大人はその日の仕事のパフォーマンスが、気分とかノリとかいう不確定なものに左右されている。全くプロフェッショナルではない。いやー今日はぜんぜん集中できなかったなー、明日集中して取り戻すよ、なんて考えているようでは成長など望むべくもない。猿以下だ。
また、だめな大人はやりたくないことを先延ばしにする。どうせやらなきゃいけないのに。明日できるんなら明日やってもいいんだけど、だめな大人はどうせ明後日になってもやらない、締切りは今日なのに。やりたくないことを先延ばししないためには何らかの強制力が必要だけど、その強制力を外的要因に依存してしまってはダメだ。上司の叱責とか、成果報酬とかそういった不確定で不定期な外的要因ではなく、単純にタイマーに依存する。それがポモドーロテクニックだ。
大事なことだから何度でも書くけど、機械的にタイマーに従ってひたすら1つのタスクに集中する。それを繰り返す。タイマーがスタートしたら自動的にタスクに集中できるようになるまで成長したら、あなたは立派なポモドーロの猿だ。パブロフの犬なんて目じゃない。Youはポモドーロの猿だ。
ポモドーロの猿になるために
それでは具体的なポモドーロの猿になるための方法だが、これは至って単純で3ヶ月間ひたすらポモドーロを繰り返すだけだ。それでけで3ヶ月後には立派なポモドーロの猿になっていることだろう。えっ、3ヶ月も続けられない? それはしらねーよ。3ヶ月程度も続けられないなんてどう考えても猿以下だろう。
そうはいってもやはり続けられない人はいるから、その手助けとなるテクニックを紹介しよう。
これも単純でその日ポモドーロできたかを一日の最後に振り返ってみてカレンダーにチェックを入れる。チェックが積み重なるとそれ自体が継続のためのモチベーションになるので3ヶ月くらい楽勝でこなせるようになる。はず。最初の1週間は気合で乗り切って欲しい。
カレンダーは一覧性の高いものがいいだろう。間違っても日めくりカレンダーにチェックをつけてはいけない。過去の積み重ねが一覧できないから。iPhoneユーザーはStreaksというようなアプリを使うのが手っ取り早いだろう。ぼくは別の用途にだけどこれを使っている。有料だけど、悪くない。え、iOSが搭載されたデバイスがない? それはないわ。現代人としてそれはないわ。それだけはフォローできんわ。
……いやまあ、普通のカレンダーでも十分ですけど。文房具屋でシール買ってきて1日1個貼るようにしてもいいんですけど。小学生の頃とかよくシールを貼ってもらってきゃっきゃっ喜んでた頃を思い出してやるのも楽しいんですけど。
これでもできないならもうポモドーロの猿になることを諦めるしかない。あなたは猿になる資格がない。
偉大なるポモドーロの猿になるのだ
さてさて、見事にポモドーロの猿になれたあたなたは、ポモドーロの猿としてより上位の猿になるになるためのいくつかのポイントを押さえておこう。
すぐやめる
まず大切なことは25分経ったら(タイマーが鳴ったら)すぐ作業をやめること。続けたいと思ってもやめる。いい? やめるの、すぐに。わかった? あとちょっとだからとか、そんなん無視してやめるの。最初はどうも気に入らないかもしれないけれど、もうちょっと続けたいのに、という気持ちをうまく次のポモドーロに活かすように考え直してみよう。
たとえば、きっちり1つのタスクが終わった時点でポモドーロを終了させた場合、次のポモドーロを開始するモチベーションが薄れると思う。次なにやろっかなー、とか、さっき頑張ったしなーもうちょっと休むか、とか余計な思考が挟まる危険性がある。それに対してタスクが中途半端な状態だったら、次のポモドーロにおける作業の開始点が明確になり、すぐに集中状態に突入できる。ほらね? すぐにやめたほうがお得でしょう? というわけで、あとちょっとだからもうちょっと続けよう、などという旧世紀的な考え方は捨てて、タイマーが鳴ったらすぐに休憩に入るポモドーロの猿としての考えを習得しよう。
休憩大事
休憩に入ったら、とりあえず場所を変えよう。自分のデスクで作業していて休憩に入ってもそのままデスクに居続けるとやっぱり頭がタスクから離れられないことになる。だから、デスクから離れよう。適当にぶらぶらしたり、他の場所で休憩を取るようにしよう。これが重要。座りっぱなしで何か別のことをするよりもどこか別の場所に移るほうがいい。30分に1回うろうろするのはなんかやだ、と感じるなら2ポモドーロに1回でもいいけど。けど、できれば休憩は別の場所でとったほうがいい。
そして休憩が終わったら次のポモドーロを始める。あと3分休憩ーとかダサいことを考えてはならない。あなたの行動は全てポモドーロに支配されている。思い出して欲しい。あなたはポモドーロの猿なのだ。
けど、本当のことを言うと、次のポモドーロに集中できるようになるまでは次のポモドーロを開始してはならない。休憩で必要なのは、さっき終わったポモドーロの事を忘れて脳を休ませること、そして次のポモドーロで集中するための準備をすること。この2つができていない以上休憩できたとは言えない。そんな状態で次のポモドーロを開始しても効率はよくならない。
だから本来は次のポモドーロに集中できるようになるまで休憩すべきだ。そうは言ってもいつまでもだらだら休憩していては元も子もない。実際、25分の集中から解放されて再度集中できるようになるまでは5分あれば可能だ。最初はできないかもしれないけど、繰り返しているうちにできるようになる。あなたが立派なポモドーロの猿ならば当然できるはずだ。
割り込み
ポモドーロテクニックで困るのは割り込みの処理だろう。割り込みがない環境というのはなかなか得難いものだ。もし割り込みがあってそっちの対処をするとなったら、そこで現在のポモドーロは破棄することにななる。当然、完了したポモドーロの数には含めない。ポモドーロとは25分間きっちり集中して初めて達成できる貴重な存在なのだ。割り込みなどで汚されてしまったらもうそれはポモドーロではない。
割り込みがあった場合、まずは後回しにできるかどうかの判断が最初に来る。後回しできるなら後回しにして現在のポモドーロを続ける。だいたい、すぐに対応しないといけない緊急の割り込みがそれほど頻発するとは思えない。もしも頻発しているようならなにかが間違っている。実際、緊急だと言われていたけど、実は緊急じゃなかったとかそんなん多いでしょう? 別にみんながみんな炉心融溶に関わる仕事しているわけじゃないでしょう?
そうは言っても後回しできないものもあるだろう。後回しできないとなったら、現在のポモドーロは破棄する。悲しいけれど破棄する。涙を飲んで破棄する。そしてポモドーロを破棄した悲しみを胸に割り込みのタスクの処理をする。大人の対応。割り込みのタスクが終わったら、休憩をとって新しいポモドーロを開始する。
さて、人によっては割り込みが非常に多くてまともにポモドーロテクニックが適用できない、という人もいるだろう。そういう人は、まず普段から割り込みの発生を減らすための努力をしよう。難しいかもしれないけれど、それしかない。いっぱい割り込まれる人はそれだけまわりから頼りにされている人なのはわかるけど、なんとかしよう。自分の知識をきちんとドキュメントにしてその所在を明らかにしておくとか、自分のタスクを分散できるような同僚・後輩を育てるとかしないといけない。ごめんね、面倒くさくて。けど、これはもう仕方ない。
ポモドーロを磨く
ポモドーロの猿になることで仕事や勉強にリズムが生まれて効率よくこなすことができるようになる。ただ、ぼくらは人間であり猿ほどばかじゃない。だから、もっと積極的にポモドーロを利用しよう。そのためには、1つのポモドーロを改善していく必要がある。
たとえば、あるタスク完了までの時間を最初は2ポモドーロだと見積もってやったとして、実際には4ポモドーロかかったとする。このとき、なぜ4ポモドーロかかるタスクを2ポモドーロと見積もってしまったのか、その原因をはっきりさせておく。これを繰り返すことでタスクの見積もり精度を上げる。同じように、時間がかかり過ぎていると感じたならばなぜ時間がかかってしまったのかを考察しておく。1つのポモドーロの精度を上げることで1日に達成可能なタスクの総量をあげたり質をあげることにつながる。仕事にかかる時間を正確に見積もれるというのは本当に大事な能力で、自分の生活をちゃんとコントロールしようと思ったら必須の能力だということは覚えておこう。まともに見積もりもできないで、仕事を安請け合いしてしまって、あとで時間が足りなくなって泣くことのないようにタスクの処理にかかる時間を正確に見積もれるように訓練しておこう。
また、1日の最後にその日を振り返るポモドーロを設定しておくのもいいだろう。あるいは次の日のタスクを列挙しておくポモドーロもいいだろう。そういったものを含めて1日のタスクを設定しておけば、あなたのポモドーロは日々磨かれていき、きっと偉大なるポモドーロの猿になれるだろう。
まとめ
思えば、小学生の頃とかチャイムで時間を区切ってくれていたから1つ1つの授業に集中できていたと思う。それを大人になってもやるだけだ。大人になったら時間割を用意してくれる先生もいないし、チャイムも鳴ってくれない。だから自分でなんとかしよう。そのためにポモドーロテクニックがある。
- あなたはポモドーロの猿だ
- タイマーがあなたの行動を束縛する
- しかし猿より賢いあなたはポモドーロを改善し続ける
- そしてより偉大なポモドーロの猿になるのだ
裏まとめ
ポモドーロテクニックというものを知ってたまに実践するようにしたりしていたのになかなかうまくいく気配がないので、本を買って読んでみた。読んだ感想と自分なりの解釈を自戒を込めて書いたのがこの記事。
ふと思いついたので Twitter を(一時)やめることにしました
最短でも二ヶ月程度、最長ではこのままずっと(たぶんそれはないけど)。
なぜやめようと思ったのか、正確なところを上手く説明することはできないけれど、なんとなくやめようと思ったわけです。別に Twitter 疲れがあるわけでもないし、Twitter はすごく面白いものだと今でも思っています。けど、やめようと思いついてしまったんです。思いついてしまったらやめるしかないでしょう。だって思いついてしまったんですもの。
あえて理由をあげれば、おそらく時間が取られすぎているということを直感的に感じていたことがあるでしょう。ふと空いた時間になんとなく Twitter をながめてしまうのは別に悪いことではないけどその時間をもっと別のことに割り当てることもできるんじゃないかと思ったわけです。たぶん。電車での移動時間などはもうちょっと別のことに使ったほうがいいかなという気がしています。
あとは小さな変化を求めていたこともあるでしょう。この一年くらいなんだかものすごく停滞していた気がしていてなんかあれだったのです。行き詰まりを突破するにはどんな小さなことでも変化が必要になるわけです。その変化を Twitter をやめるということに見い出したのかもしれません。
というわけで Twitter やめました。毎日の記録として用いていた部分をどう他に転嫁するかという問題がありますが、これについてはこことは別のどこかに地道な日記でも付けてみようかと思います。日記を書くのにいいブログサービスってないですかね。